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写真

Starbucks Reserveでノマド気取るどころか貴族になっちまった話

公開日: : column

「やっぱ仕事はスタバだと捗りまくるよね★」みたいな信仰を否定するわけでも過信するわけでもないのですが、たかがコーヒーを飲む場所で、コーヒーをただひたすら飲むわけでなく、コーヒーの味やら何やらはあくまでおまけで、「俺、仕事なり何なりやってるんだぜ。コーヒー飲みながらね!」って言う一コマをパシャリと一枚写真におさめてfacebookやらinstagramにあげられるとなんてリアクションすればいいのか困ってしまいます。

「いいね!ボタンより、なんとかボタンが欲しい!」 みたいな話はここ4年くらい至る所で話されている話なので今更そこを掘り下げて意見をしようとは思わないですが、なんか みたいなボタンがほしくなってしまいます。そこまで素直なボタンだったら俺が5億回押していいね中毒にしてやるよ。

承認欲求自体は当たり前のことだし、生理現象に近いものだと思うし、モチベーションの維持に欠かせないものだと思うんだけど 「なんか違うでしょ、それ」みたいに感じる事も多くって 友人の承認欲求とどう付き合うか、ってのは一つ考えなきゃいけないな、と思っています。

以前、友人2人と僕で沖縄に行ったのですが 一人は 「写真撮ろうぜ!facebookにあげようぜ!これはいっぱいいいね!がつくぜ!」 といい、もうひとりは「彼女に嘘ついてきたから写真に写りたくない」と言っていました。お前ら、純粋に旅行楽しもうぜ。黙って美味しいタコライス食べようぜ。 もういいじゃん、インターネットなんて。 ッて感じました

なお、この茶色い文字のところは、別に本文と特に関係はありませんし、伝えたいことがまとまっているわけでもありません。こんな小さな文字を読んでくださってご苦労様でした。

祖父のリハビリでアピタに行って参りました

さて、上の文章と内容的にズレが生じているのですが 本日アピタに行って参りました。
祖父が入院しており、車椅子生活になったので祖母と母と僕でリハビリを兼ねて入院施設の近くのアピタまで外食をしに連れて行きました。
孫の僕と母と祖母と祖父が揃うと、孫の私は財布を持たなくても2000円以内のものなら何でも手に入ります。これは僕が生まれた時から変わっていません。僕は喜び勇んで祖母に甘え、カツ丼セットをごちそうになりました。
カツ丼セットが800円だったので、祖母はまだ孫の私に奢りたりない様子。
コーヒーでも飲みなさい。と私に1000円札を渡してきました。

アピタの中にスタバがあるっ・・・!

1000円もの大金を手にして、30歳の私はどんなコーヒーを飲もうか、と アピタの中をウロチョロしているとアピタの中でスターバックスを発見しました。
僕の地元のアピタにはスターバックスなんて粋なもんはないので、大変驚きました。仙台にAppleStoreがあると聞いた時に驚きに近いものがありました。「祖母の金でスタバのコーヒーを飲む」という不思議な体験が出来ると思うと胸が踊りました。

しかしなんだ、このスタバ・・なんか特別メニューがあるっ・・!

スタバでコーヒーを買うと ざっくり300円ちょろ ってイメージでした。大人としてお釣りをお小遣いとしてもらうわけにも行きません。ここは、、せっかくの祖母の好意ですし、思いっきり甘えてできるだけ高いものを頼んでやろう と考えました。なんとかフラペチーノのグランデに、全部乗せのトッピングでもしてやろうか、 と考えながら並んでいると、見たことのないメニューが置いてありました。

そこには、【名古屋市内4店舗限定!】Starbucks Reserve と書いてありました。

コーヒーを注文する

Starbucks Reserve メニュー の中には 見たことも聞いたこともない まるで海外の今まさに流行らんとしようとしているwebサービスのような名前のメニューが4つ並んでいました。
よく見ると、一つだけ “コナ” という単語が入っていました。
コナ・・僕は知ってますよ!!ハワイのコーヒーで高くて甘いやつのことですね!!数年前に粉コーヒーと間違えて大恥書いたやつです。
さあ、こいつを頼んでやりましょう!!と心の中で決めました。
しかし、よく見るとHOT only と書いてあるじゃないですか。車のエアコンの外気温を測るところにoutside39C と書いてあった今日、HOTなんて飲めるわけがありません。
さあ、どうしようかなーー と思っていると、前の貧民が安い普通のコーヒーを頼んで赤いランプの下へそそくさと走って行きました。やれやれ、僕の番です。

店員さんの目が光った気がした

店員「いらっしゃいませー♪」
「あの、これ(starbucks reserveのメニューを指さしながら)って全部HOT/ICEから選べますか?」
–できない、って言われるのをわかった上で質問してしまいました。

なぜか店員さんの声のトーンが2オクターブ上がりました。

店員「reserveのご注文ですか!?」

僕はびっくりしてしまいました。
なんでそんなに大きくて高い声を出すのか。
店員さんはこう続けた。

店員「申し訳ありません、*★?△◎卍@・・コナは、HOTのみでのご提供になります。お客様、reserveのご利用は(初めてですか?)・・?」

「ああ、あれですよ。も、もちろんありますよ。リザーブっすよね!リザーブ!」
–完全に調子に乗ってしまった。

店員「以前はどちらの店舗で・・?」

・・まずい。さっきの看板には名古屋市内4店舗と書いてあった。ここを除いて3店舗。名古屋市内にはスターバックスは僕が知る限りで20店舗はある。半分以上がイオンの中。あとは、金山と伏見(3店)と名駅(3店)と御器所と新栄と栄(2店)と星ヶ丘・・。おそらく、思い出せないだけで30店舗くらいあるだろう。当選率約10%。こんなもの当てれるわけがない。・・いや、まてよ。俺が、「名駅」 と言えば3店舗分一気に指定したことになる。当選率3倍アップだ。・・でもそれを言うなら、「どこかのイオン」 という方が圧倒的に当選確率が高いはずだ。でも、まてよ。イオンのスタバごときにreserveなるものがあるのか? ・・・いやいやアピタの中にあるくらいだぞ。 ん、待てよ 東京モンぶるのも手だな。「銀座」 とか言っときゃよほど間違いないだろ。 でも名古屋限定 って書いてあった気もするし。困ったな・・。(ここまで0.5秒)

「あのー、あそこの(と言って、適当にエスカレーターの方を指さした)・・ 」

店員「ああ、自由が丘ですね。 名駅にもあるんですよ!」

「ああ、名駅。名駅だわ。」
–わけのわからない見栄をはってしまった。

店員「以前は星ヶ丘にもあったんですが、今はここと自由が丘と名駅の2店舗だけなんです。名駅はセントラルタワーズと名鉄百貨店にもあります」

「ああ、そうなんですね。」

もうやだ。この会話続けたくない。

店員「アイスですと、ザンビアとマラウイとグァテマラからお選びください。」

ノーヒントかよ。どれがどういうコーヒーとか教えてくれよ・・。いや、いやいや、これは俺が悪い。俺は完全にreserver気取った。reserverは名前だけで味も値段もわかるんだろう。まじミスった。

そこで、店員さんが、メニューブックを見せてくれた。
メニューブックにはそれぞれ説明が書いてある。
ザンビアの欄に 【リンゴやバニラを思わせる風味と・・】と書いてあった。

僕は、まるでいつも飲んでいるかのように「ザンビアを1つ」 と言った。

店員「お持ち帰りですか?」

こんな店はとっとと出たい。俺はばあちゃんとかあさんとコーヒー飲みたい。一人ですました顔してスタバで美味しいコーヒーなんて味わいたくない。

「持ち帰りで。」

店員「そちらの席におかけになって5分少々お待ちください!」

え?は!? 赤いランプの下じゃねえの?5分も待つの? と思ったが 慣れた感じで 席に向かった

注文完了

どこに座ろうか迷った。コーヒーを持たずに混んでいるスタバの席に座るのは、さすがに迷惑だ。

そう思った僕はゴミ箱の隣にある 4人掛けの席に5人以上で座っちゃう時にここから持って行ってくださいね と言わんばかりの椅子が積んである椅子に腰かけた。立っているのと変わらないくらいの高さだ。

30秒もしない間に、安物のコーヒーを飲んでダベっている下民が ゴミ箱の隣に椅子を取りに来た。
僕は申し訳なさそうにどいて椅子を渡した。

それに気がついた店員が大きな声で言った。

店員「あ、reserveでお待ちのお客様!! どうぞそちらのお席におかけになってお待ちください!!」

店内がざわついた気がした。reserveって何? みたいな声が聞こえた気すらした。

そちら、と案内されたのは カップルが座っている2人用の机とブス2人が座っている2人用の机間の2人がけの席。
その他の席は満席だったので、そこに腰かけた。満席状況も気になったので、カウンター側が見えるように2人席の奥のソファーみたいになっているところに腰掛けた。

2分後、店の中をウロチョロしている人が僕を睨みつける。
そりゃそうだ。コーヒー片手に空席を探している。僕はボケーっとコーヒーも飲まずに偉そうに座っている。

macbookでもあれば取り出してなんかしてる風のアピールでもしてやれるのだが、僕が今持っているのは、液晶がボロボロに割れたiPhoneと、コーヒーのお釣りの280円だけ。iPhoneでBB2Cを立ち上げて 松本人志がマスコミを批判した みたいなスレを見ていた。

店員がやってきた

すると、5分も経っていないのに店員が何か金ピカのシーシャのような何かと、氷の入ったお持ち帰り用コーヒーのケースをもってやってきた。

店員「おまたせしましたー♪」

「・・はあ」

隣のブス「なにこれなにこれ」

店員は、金ピカのシーシャのような何かをシュコシュコ動かしはじめた。
店の中に、ブホッブホッ とマン屁のような音がこだまする。

ブホッブホッ と卑猥な音をたてながら店員はこう言った。

店員「こちらは、酸味が非常に弱く味わい深い味になっています。こちらは始めてですか?」

ええい、やけだ。もうビビってられない。もう吹っ切れた。めちゃくちゃコーヒー通ぶってやる。

僕は見栄を張り続けることに決めた。そこからの会話は大変スムーズなものだった。

「うーん。これは・・飲んだかなあ。スタバで飲んだかはわからないけど、私はザンビアが大変好きでね」

店員「そうなんですね。普通のコーヒーってどうしても酸味が強いのですが、ザンビアは酸味がすごく抑えられていて、バニラやリンゴのようのような風味が楽しめますよね。」

「僕はね、煙草を吸うんだよ。タバコを吸う時は酸味が強い方がいいんだけどね スターバックスは煙草が吸えないじゃない?だからね、そんな時はいいコーヒーがより美味しく感じられるからね、reserveがある店舗ではではその中から選ぶようにしているよ。ザンビアは煙草吸いながらじゃもったいないからね。」

店員「ええー そうなんですか!私は煙草は吸わないのでわからないですが、、。お詳しいんですね!」

「まあね。」

ブスもカップルも店員も、全スタバ中が俺に釘付けである

店員「私、まだコーヒーの味とかがやっとわかってきたところで・・。お話聞けて嬉しいです。」

「それは良かった。」

・・やっとコーヒーが注ぎ終わった。なんとか体裁が保てた。死ぬほど恥ずかしい。二度と来ないぞ。

店員は謎の固有名詞について私に尋ねてきた。

店員「◎☆▲※♯って・・?」

「え?」

店員「◎☆▲※♯って・・ご存知です?(よね)」

「知らんな」

店員「・・・・?」

「・・・」

店員「1杯、1900円もするコーヒーなんです。袋で買うと1万円くらいしますよ。」

「ああ、猫のフンのやつ?」

店員「違います」

あかん、もう無理だ。

「・・・」

店員「・・・」

店員「・・・えっと、そういうコーヒーが来週から発売になりまして、そのテイスティングパーティのご招待状をお渡ししてよろしいですか?きっとご満足いただけると思うんです」

「うむ。」

早く出たい。もう無理。

店員「もしよろしければ、是非いらしてください。」

「ありがとう。それでは私は行くよ。」

店員「あ、ステッカーって集められてますか?」
そういって彼女は ZAMBIA と書かれたシールを見せてきた。

「ああ、集めてます。持ってると思うけどください。」
わけのわからない見栄をバシっとキメておいた。

そして気がついた。
注ぎ終わった後のコーヒーに蓋とストローが刺さっていない!

店員「香りを楽しんで、コーヒーを楽しんでくださいね。」

–店員はニコニコしながらこちらを見ている

僕は、持ち帰り用のスタバのビニール製のカップに鼻をつっこみ、「うーん いい香りだ。やはりこれだ」 などとぶつぶつ言いながらスタバを出た。

店員「リザーブのご利用ありがとうございました!」

恥ずかしかったが、ここまで来たらこのわけのわからないキャラを通そうと思い、後ろ向きに手をあげておいた。

まるで貴族のようだな、と思った

死ぬほど恥ずかしかった。
知ったかぶりを通すのはなかなかつらい。

とりあえずスタバを出て、店員がこっちを見ていないことを確認して、歩きながらこのクソ高いコーヒーを飲んでやった。
結論から言うと、ただの普通のコーヒーだ。全然リンゴの味もバニラの味もしない。マイルドカルディとの違いがわからない。

緊張が溶けたので、うんこがしたくなった。
コーヒーを持ち込むのは少し嫌だが、私はトイレに向かった。

障害者の方も健常者の方もご利用下さい。 と書かれた大きな洋式トイレに勢い良く突進し、洋式便器に座った。
鏡には自分が写っていた。

てっきり、スタバであれだけ偉そうに通ぶってたから、自分がオシャレなスーツに カフスボタンなんてつけちゃって、シルクハットかなんかかぶってるつもりで居た。

鏡にうつった僕はどうみても上下パジャマだった。
薄手の無地のTシャツにおもしろいくらいの短いパンツ。
しかも遠目にみてもわかるくらい乳首がたっている。寝癖もひどいしメガネも汚れている。ただでさえ汚いヒゲがいつもより汚い。ふくらはぎには、ロイヒつぼ膏が至る所に貼ってあり、足元は超汚いクロックスだ。

これは、ホームレスがパチンコ屋に行く姿ではないか。

–自分がスタバにたまたまいて、こんなやつがスタバでコーヒー通ぶってたら俺、笑い転げて死ぬ そう思った。

なんだか死にたくなった。家族にあいたくなった。
そそくさとうんこを拭いて、トイレを出た。

トイレを出ると母と祖母が立ち、祖父が車椅子に座ってこちらを笑顔で眺めていた。
なんだか安堵感で泣き出しそうな気持ちになった。

家族と合流した

母は私を見るなりこういった

母「爺ちゃんもコーヒー飲みたがってるから、スタバ入ろっか」

「無理無理無理無理」

母「は?」

祖母の金で高いコーヒーを飲んでやったこと・貴族扱いされたこと・混んでいること・高いけど別に美味しくないこと・見栄をはったこと などを伝えた。

母「よくわからん。ちょっと一口ちょうだい。 ん、美味しいじゃん」

そういって、母と祖母と祖父が回し飲みして全部飲みやがった。

母「まぁコーヒー飲んだし、本屋でも行こうか。ゴミ捨ててくるね」

母は、スタバに空になったreserveのゴミを捨てに行った。

30秒後、興奮気味にスタバから帰ってきた。

母「リザーブどうでしたか?いつもリザーブを飲まれるんですか?とデカイ声で言われたから・・思わずハイって答えちゃったわ」

親子だなと思った。 おしまい。

今度スターバックスに行くときは、シルクハットを被って、スーツを着て、杖をもって おもいっきり貴族ぶってやろうと思った。

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